青木裕子さん×子育て 親の意識一つで身近な体験が「学び」に/上
フリーアナウンサーで、2人の男の子を育てるママでもある青木裕子さん(41)が、親子で楽しめる「体験」を紹介する「3歳からの子育て歳時記」(講談社)を出版した。「特別なことをさせなければと焦らなくてもいい、身の回りの小さなことが体験になる」というメッセージを伝えたかったという青木さんに、子育てや生き方について聞いた。
(下)願うのは「幸せ」感じる自分の尺度
気軽にできるアサガオを使った「科学実験」
――「体験からの学び」について発信し始めたのは、どのような思いからですか?
◆子どもたちにいろいろな体験をさせたい、親子で一緒に楽しみたい、というのは誰もが考えていると思います。でも、子育てはとても忙しいので、「何をすればいいのか」「子どもにとってどんなことをするのがいいのか」と悩んでいると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。何かするにしても、「お金や時間をかけて特別な経験をさせてあげなきゃ」という方に目が向きがちです。
長男の育児をしていた頃の私がまさにそうでした。でも「何か特別なことをしなきゃ」と焦る必要はない。日常の身の回りの小さなことが体験になる。取り組み方次第で学べることや楽しめることがたくさんある――。それを周囲の方々から教えていただきました。
ただ、考えてみると、そういう情報がぎゅっと一つにまとまったものは意外とないんですよね。私自身、「今月はこんなことを楽しめます」と誰かがアナウンスしてくれればいいのに、と思ったことがあって。それで、季節ごとにできることを歳時記風のコラムにしたいと女性向けサイト「FRaUweb」の編集者さんに提案したのが始まりです。今回、その連載を1冊にまとめました。
――4月の「家庭菜園」に始まり、5月の「昆虫飼育」、6月の「トビウオすくい」、9月には「月見団子」、10月は「稲刈り」……と、とてもすてきな体験の数々が紹介されています。日々忙しいのにこんなにできるなんて、青木さんはさすがだなと思ってしまいました。
◆この本だけを読むと、子どものためにすごく忙しく、いろんなことを頑張ってやっている人だと思われてしまうみたいで(笑い)。でも、ここに書いてあること全てを年間通してきっちり詰め込んでやってきた、というわけではないんです。上の子はもう10歳。これまでの何年間かの子育て中にしてきたことをピックアップしてまとめたんです。もっと言うと、本に書いてある以外にも、失敗したり、やってみたけどイマイチだったり、という体験があるわけで。
ただ、読者の皆さんからは「カタログのように活用しました」という声をたくさんいただきました。そのために出した本なので、とてもありがたいと思っています。「パパが真剣に読んでいた」という話も聞きました。
――本の中に登場する体験の中で、特にお勧めしたいものはあり…
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