中学受験させておけば…迫る高校受験と反抗期の息子 母の後悔
「そんなに親の言うことが聞けないなら、出て行きなさい!」
思わず大声を張り上げると、ソファに寝転んでいた長男は無言のまま、スマホを手に外へ出ていった。
中学2年になっても、家にいる時間のほとんどを、スマホを触って過ごしている長男。通っている地元の中学校では、宿題が出ない。だから教科書すら開かない日も少なくない。スマホを禁止にする、しないで毎日のように親子げんかになる。
その日、夫婦で長男を捜し回り、夕方へとへとになって帰宅すると、しばらくして長男は何食わぬ顔で帰ってきた。その表情を見て一安心しながら、考えた。「やっぱり、無理にでも私立中に行かせておけばよかったのかもしれない」
「中学受験はしない」と宣言した息子
「中学受験はしない」。東京都内に住む鈴木千絵さん(仮名、53歳)の長男(13)がそう宣言したのは、小学3年の夏だった。
友達が塾に通い始め、学童で暇を持て余すようになっていた。「受験するなら、そろそろ塾に入ったほうがいいと思うけど、どうするの」。そう尋ねると、長男は「受験するのも塾に行くのも嫌だ」と答えた。「あまり楽しそうじゃないから」
理由はともかく、本人が考えて出した結論だ。鈴木さんはそれ以上、何も言わなかったが、迷いはあった。
鈴木さん自身は30年以上前に中学受験を経験している。
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