「落ちました」 灘中目指した父子に中学受験がもたらしたもの

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大沢瑞季
大沢瑞季
Xのアカウント名「灘中までの道」さんは、これまでのツイートに大幅加筆した受験日記「君とパパの片道列車」(光文社)を2023年8月に出版した
Xのアカウント名「灘中までの道」さんは、これまでのツイートに大幅加筆した受験日記「君とパパの片道列車」(光文社)を2023年8月に出版した

 落ちました――。

 報告した合格発表のツイートには100万以上のアクセスが集まった。中学受験の最難関である灘中(兵庫県)を目指した息子と父親の日々をつづったX(ツイッター)。伴走に徹した父親が語る、中学受験がもたらしたものとは。

「のんびりやったらいい」が一変

 父親は、地方在住の40代サラリーマン。

 息子は小学3年の2月から塾通いを始めた。家にいてもユーチューブやゲームばかりの様子を見て、「昔のように子どもらしい生活はできない。それなら、新しいコミュニティーに入れてあげたい」と共働きの妻が申し込んだ。

 小4の頃は週2日の通塾で、友達もでき、楽しみながら通っている様子だった。「のんびりやったらいい」。そう夫婦で話していた。その頃は父親も仕事が忙しく、息子の就寝後に帰宅する日々。そんなマイペースな中学受験が一変したのは、小学5年の3月だった。コロナ禍で学校も塾も休校に。塾のテキストを初めて見ると、息子は算数の応用問題に手をつけていない。

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