自分らしく生きるには… 性自認と葛藤 りんさんの場合

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市川明代
市川明代
新たな人生に向かって踏み出したりんさん=東京都千代田区で2024年9月27日、市川明代撮影
新たな人生に向かって踏み出したりんさん=東京都千代田区で2024年9月27日、市川明代撮影

 人とのコミュニケーションが苦手で、職場を転々としてきた首都圏在住のりんさん(仮名、39歳)。出生時の身体の性別と性自認が一致しないトランスジェンダーとして、葛藤した時期もある。

 「自分らしく生きるには……」と自問自答を続け、ビジネスコンサルタントとしての独立に向けた一歩を踏み出した。「手探りでも、まずは突き進んでみる。それが私の長所」と語るりんさんの、新天地とは――。【市川明代】

自身の性と葛藤した思春期

 りんさんは、中部地方出身。3人きょうだいで、2人の姉がいる。「待望の男子が生まれたことを、両親は喜んでいたと思います」

 子どもの頃の記憶はほとんど残っていない。思い出せるのは男子校の高校に進学してからのこと。思春期真っ盛りの男子に囲まれ、初めて、言葉では言い表せない居心地の悪さを感じた。自分は同性愛者なのだろうかと、思い悩むようになった。

 ちょうど、インターネットが普及し始めたころだ。教育熱心だった両親が購入したパソコンで、「自分は一体何者なのか」を調べまくった。答えはなかなか見つからなかった。

 夏休み、両親のすすめで…

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