自分らしく生きるには… 性自認と葛藤 りんさんの場合
人とのコミュニケーションが苦手で、職場を転々としてきた首都圏在住のりんさん(仮名、39歳)。出生時の身体の性別と性自認が一致しないトランスジェンダーとして、葛藤した時期もある。
「自分らしく生きるには……」と自問自答を続け、ビジネスコンサルタントとしての独立に向けた一歩を踏み出した。「手探りでも、まずは突き進んでみる。それが私の長所」と語るりんさんの、新天地とは――。【市川明代】
自身の性と葛藤した思春期
りんさんは、中部地方出身。3人きょうだいで、2人の姉がいる。「待望の男子が生まれたことを、両親は喜んでいたと思います」
子どもの頃の記憶はほとんど残っていない。思い出せるのは男子校の高校に進学してからのこと。思春期真っ盛りの男子に囲まれ、初めて、言葉では言い表せない居心地の悪さを感じた。自分は同性愛者なのだろうかと、思い悩むようになった。
ちょうど、インターネットが普及し始めたころだ。教育熱心だった両親が購入したパソコンで、「自分は一体何者なのか」を調べまくった。答えはなかなか見つからなかった。
夏休み、両親のすすめで…
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